講師のセンス

技術講師の採用人事とかやることになったらどうしよう、と思ったので書く。


みなさんは技術講師できる人って、どういう人だと思いますか?


なんでも即答しちゃう講師に当たった受講者が抱く印象として、

「何でも知ってるすごい人」
「何でもできるスーパーエンジニアがなる」
「大規模なプロジェクトを複数経験していて、本も書いていて・・・」

ってのがあるようですが、違うよね。


技術講師できる人が持つべきセンスは、「理解していない状態」をリアルに感じ取れることだと思う。


プログラムコードを初めて見たときの記憶を今も持っているか。
メソッド後ろの括弧を忘れ続ける人の気持ちを理解できるか。

そういうことをバカにせずに追及できるのが講師として大切だと思う。なぜなら、どんな人にも「理解していない状態」はあるのだ。それが「メソッドの括弧」か、「限定継続」か...などとは関係ない。


というわけで、自分が勉強したいだけの人は、講師にはなれない、と思う。


天才的エンジニアや、自分でプロダクトを持っている人は、「自分がどう勉強したか」や「自分のプロダクトをどう作ったか」は説明できる。でもそれは、その人の経験でしかない。


「オレはこういう経験した、こんなことも知ってる。すごいだろう」そういうのを見せて「すごい」「私もなりたい」と思わせるのは有効かもしれない。でもどうやったらそうなれるのか、の一番肝心な点を「パッションです」とかで片づけてしまったら講師失格でしょ。情熱は、モノづくりにはそもそも必要なのだから。

一方で、受講者には相手の技術を盗む態度が欲しいなぁと思う。盗んでもらえるためには、講師も、講師力と技術力を同時に精進しなければいけないのではないかと思う。